コトブキヤ原型部屋実践的フィギュア塗装講座―プロの現場の製作テクニック (DENGEKI HOBBY BOOKS)

某AFV関連の塗装書のレビューと同じタイトルで恐縮です・・・。さて、この本のスゴいところは紹介の塗装技法もさることながら、それを裏付けている理論の解説が詳細であることです。つまり、「なぜそうなのか」の部分がよく理解るようにつくられているところです。本文中で解説しきれない個所はコラムで解説するなどの工夫も素晴らしいと思います。本書で勉強すれば、より知的にフィギュアを塗装できるようになることでしょう。ただし掲載の技法はエアブラシの使用が前提となっているのでエアブラシ未経験者はちょっとツライかも・・・。最後に、本書を読んで自分のプラモライフにとって最もためになったと思うことを紹介して脱稿したいと思います。まず「シャドウ、ハイライト、基本色の塗り分け」。これは二次元に対する技法なんだと思っていましたが三次元に対しても効果テキメンでフィギュアをより立体的に、よりホンモノっぽく仕上げることができます。感動的です。次に、「オーバーコート」。さて問題です。「とある色の明度を上げるにはどうすればよいのでしょう?」。白を混ぜますか?。否。そうすると色は明るくなるものの濁ってしまい、鮮やかさ失われてしまいます。正解は「クリアーとシンナーで当該色を希釈して白の下地に塗る」です。薄い色を塗り重ねるので「オーパーコート」と呼ぶらしいです。これまた効果テキメンで、同じ色でシャドウと基本色を塗り分けるときに便利です。まるで別の色のように明るくなります。「同じ色のハズなのに、これほど印象が変わるものか・・・」と感動してしまいます。魔法です。皆さんも本書でスゴいテクニック、見つけて下さい。