スパイは秘書に落とされる (キャラ文庫)

鳥城さんの「許可証をください」シリーズがすごく良かったので、この本も手にとって見ましたが、うーーん、期待していたのとはちょっと違いました。題名で、恋愛の結果が予測できてしまうし、なんといっても主人公のスパイのキャラが軽い！彼の語りで話がすすんでいくのですが、その語り口調が読者受けしなさそう…。照れ屋の、かっこつけやの、本当は誠実でいい人なんでしょうけど、もっとかっこよさとか人間性の魅力を前面に出してくれないと、物語に入り込めないなぁ、という感じ。今までと違うキャラを登場させようとして、ちょっと無理が出た…、という印象です。仕事の話なんかは相変わらず上手くて、社内の様子や、最後のからくりなんかはけっこう読ませてくれました。次回はもっと得意のキャラで勝負に出て欲しいです。