日本がバカだから戦争に負けた 角川書店と教養の運命 (星海社新書)

角川書店が設立されたときからプラットフォームビジネスをしていた、というのが発見。出版社というプラットフォームをつくり、教養となるコンテンツをそこに引っ張ってきた。コンテンツはオリジナリティはなかった。そこから先、ドワンゴまで続く。自分の中で、消化する必要があるとはいえ、プラットフォーム戦略などというビジネス書みたいな読み方もできる。文化系知と工学科系知の融合っていうのは、どこの会社でもこれからテーマになるし、たぶん、日本全体でも必要になるんだろうな。その差のなさが、日本がバカになっている、というのはぼくの解釈。タイトルは、角川源義が角川書店を設立するにあたって考えたこと。でも、たぶん著者は現在の日本のことも意識している。日本はいま、戦争に負けつつある、というのもぼくの解釈。角川書店というものを参考に、日本の戦後の教養について描かれた本として面白いです。でも、それはそれとして、もっとはっきり言ってしまえばいいこともあるような気がして。そんなことが気になります。