新手年鑑2015（将棋世界2016年6月号付録）

勝又清和六段による編集です。26手あって、冒頭のNo.1は、藤井九段推奨の「振り飛車の新手」です。編者によるはしがき、に羽生名人が4年前に語った「これからは、コンピュータの計算処理能力から導かれる一手を、人間の知性で理解し、同じような結論を導き出せるかを、問われるような気がしてなりません」という言葉を引用しています。この並行関係は、今、将棋の世界に限らず、世のいたるところにおいて重要です。学ぶところの多い小冊子となりました。対戦型で勝ち負けを分けるルールのあるゲームには必勝法があるだろう、という仮定がさまざまなものの考え方を進歩させてきました。新手、が現れ続ける以上必勝法は遠い夢であり続けます。もっとも、必勝法が確定すると、そのゲームは存在意義を失うことになりますが。